小豆島・迷路のまちの「妖怪美術館」の取り組みを通して、 地域活性に悩む多くの人たちにエールを送る本をつくりたい!

2020.10.19

小豆島・迷路のまちの「妖怪美術館」の取り組みを通して、
地域活性に悩む多くの人たちにエールを送る本をつくりたい!

EDIT LOCALが運営する会員制オンライン・コミュニティ「EDIT LOCAL LABORATORY」からクラウドファンディング企画第二弾が始動します!

入館料3倍に値上げでも入館者数は3.6倍に! 「妖怪美術館」V字回復への軌跡

約700年前、海賊から身を守るために入り組んだまち並みが形成され、まるで迷路のようになっている地域が今も残っていて「迷路のまち」と呼ばる小豆島・土庄(とのしょう)町。かつては小豆島八十八ヶ所霊場58番札所西光寺の門前町として栄え、小豆島で最も華やかな商店街といわれていましたが、ショッピングモールの進出や人口減少などによって、徐々に衰退していきました。

小豆島霊場58番札所「西光寺」の石垣と奥の院「誓願の塔」

このまちでアートプロジェクトMeiPAM(メイパム)がアートを中心とした観光事業をはじめてから、2013年には2万人だった来訪者数が、2019年には5倍の10万人以上に! そのきっかけとなったのが「妖怪美術館」だったのです。

元々あったまちの資源に注目して、新しい観点からその魅力をとらえなおすことで、まちの活性化にチャレンジした取り組みを紹介する本を作ります。

左)小豆島の祭りに参加する佐藤さん 右)秋にはオリーブの収穫

スキルゼロから仲間たちと妖怪美術館を立ち上げ、まちおこしに挑んだ7年間

2013年に東京から小豆島にIターン移住した、サラリーマンの佐藤秀司さんは、東京でテレビ局やネットメディアの仕事を経験してきましたが、小豆島への移住を機に、これまで全く経験のないアートを活用したまちおこしの事業に携わることになりました。

佐藤さんが担当することになったのは、迷路のまちに点在する呉服店跡や古民家を改装して2010年にオープンした「迷路のまち・アートプロジェクトMeiPAM(メイパム)」という小さな美術館でした。2017年に代表に就任し、2018年に妖怪美術館としてリニューアルオープン。美術館の入館者数は3.6倍、売上は11倍、迷路のまちの観光客は5倍に、商店街の消費額は1億円も増加しました

スキルゼロから仲間たちと迷路のまちに妖怪美術館を立ち上げ、まちおこしに挑んだ7年間の軌跡を、ぜひ全国各地で地域活性に悩む多くの方に共有したいと思い、本をつくることになりした。

小豆島に縁もゆかりもない佐藤さんが地域コミュニティに受け入れられた過程や、地元にある観光資源を活用して経済効果をもたらしたプロセスは、全国各地でまちおこしに奮闘する人たちのヒントになるはずです。

妖怪美術館の妖怪たち

さらに、さまざまな価値観の人々と交流する中で著者がたどり着いた発想法「妖怪イズム」もご紹介します。失敗や人間関係の摩擦を「妖怪のせい」にすることで、不条理を受け入れる余裕ができ、その寛容性によって平穏な日常生活を送ることができるようになります。UターンやIターンで地方に移住した人たちの働き方や暮らし方、コミュニティづくりにも役立つ考え方です。

妖怪美術館に集まっている妖怪たちは、昔ながらの鬼や河童だけでなく、クリームソーダを溶かす妖怪や、使っていると肩がこるパソコンの妖怪、SNSのいいね!を集める妖怪など、現代にしか現れ得ない妖怪ばかりです。これらの妖怪をみていると、苦い思い出や辛いこと、自分自身の悪い癖などを「妖怪のしわざ」と考えることで、気持ちが少し楽になるのです。妖怪には昔からそのような役割がありましたが、私たちの文化的遺伝子の中には今でもそれが記憶されているのです。

小豆島の観光地の魅力や、住民目線の知られざるおすすめスポットの紹介も

1日に2回だけ海に道ができるエンジェルロード、樹齢千年のオリーヴ大樹、オリーブ公園、オリーブ園、二十四の瞳映画村など、島を代表する観光地はもちろん、波しぶきが迫る岸壁から巨石が生まれ出でる江洞窟、360度瀬戸内海を見渡せる重ね岩、樹齢1300年のシンパクの木など、知られざる小豆島のおすすめスポットも紹介します。

目次案(予定)

オリーブの島小豆島~島の歴史・全体像/小豆島・迷路のまち アートプロジェクトMeiPAM/何もできないサラリーマン~イベント疲弊、古民家改修のリアル/代表就任/環境分析/弱みを強みに再定義/事業方針転換/目的~戦術の再定義/妖怪画家・柳生忠平の再定義/妖怪美術館の誕生~828体の妖怪たち/日本で最も値段の高い美術館/観光客10倍、消費額1億円/日本文化の真髄/島の神聖なる雰囲気/“妖怪のせい”/罪を憎んで人を憎まず/自己防衛手段としての妖怪/祀るということ/YOKAIZM(妖怪イズム)とは?

オリーブ公演

プロジェクトの主要メンバー紹介

著者:佐藤秀司(さとう・しゅうじ)|福島県生まれ。2000年福島大学行政社会学部卒業。東京でテレビ局、インターネットメディアの仕事を経て、2013年小豆島に移住。迷路のまち・アートプロジェクトMeiPAM(メイパム)に参画し2017年代表に就任。妖怪美術館を起ち上げ、美術館の入館者数を3.6倍、売上を11倍に、迷路のまちの観光客は5倍に増加、商店街の消費額が1億円増加した。小豆島ヘルシーランド株式会社地域事業創造部マネージャー。小豆島・迷路のまち妖怪プロジェクト実行委員長。小豆島とのしょう観光協会理事。小豆島ナイトツーリズム協会会長。オリーブオイルソムリエ。

編集:須鼻美緒(すばな・みお)|株式会社モーイ代表取締役。上智大学文学部新聞学科を卒業後、株式会社ビー・エヌ・エヌ新社でデザインやカルチャー分野の書籍を編集。2009年、東京・恵比寿のフラワーショップkusakanmuriを立ち上げ、ブランディングや商品企画、広報などを担当。2015年香川県に移住し、株式会社瀬戸内人にて約5年間、雑誌『せとうちスタイル』の編集を担当。主な担当書籍に『ピクトさんの本』(ビー・エヌ・エヌ新社)がある。

発行:千十一編集室(せんといちへんしゅうしつ)|2017年、編集者の影山裕樹により創業。「異なるコミュニティ」をつなぐメディアと編集のスキルを生かし、地域の魅力を発信するメディアの開発・運用から、潜在的なニーズや顧客を掘り起こし、社会貢献を目指す企業や地域団体のブランディングおよびコンサルティング、地域社会の持続的発展を担う人材育成まで、幅広い事業を展開。「まちを“編集”するプロフェッショナルをつくる、伝える」がテーマのウェブサイトEDIT LOCALを運営。主な著書に『ローカルメディアのつくりかた』『ローカルメディアの仕事術』(共に学芸出版社刊)がある。

本プロジェクトは、「まちを編集する人々をつなぐ、伝える。」がコンセプトのウェブマガジンEDIT LOCALが運営するオンライン・コミュニティ「EDIT LOCAL LABORATORY」のメンバーが協働し取り組む企画です。

万が一、目標金額に満たなかった場合でも内容を縮小してプロジェクトに取り組みます。しかし、このような新たなクリエティビティの価値を共有するプロジェクトの可能性を広げるためにも、EDIT LOCALラボ第2弾の出版プロジェクトとして、これを一緒に盛り上げていただきたいです。

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