29

障害のある子どもたちとその家族の休日を一緒に楽しむ

2023.10.23 上條桂子

アトリエ・エーが20年間で築き上げてきた関係性

渋谷区で活動するダウン症や自閉症の子どもたちを中心とした絵の教室「アトリエ・エー」。2003年からスタートした教室は今年20周年を迎えた。主宰者の赤荻徹さんに、改めてアトリエ・エーの成り立ちからコミュニティづくり、そして今後の話を伺った。

28

旧市場に再び息吹を与える「東加古川軒先市場」

2023.9.13 中野広夢

狙いは日常。仕掛けは非日常。

祭りの後の静けさといったらない。空前の地方創生ブーム。各地でイベントは増えたものの、それはあくまで非日常に限られたものであり、開催前後は寂しいものだ。暮らしの大半を占める日常を豊かにするために、土壌である街をどのようにデザインするべきか。そのヒントが「東加古川軒先市場」にはある。

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「徳島・女性・文学」がテーマの文芸誌『巣』

2023.6.7 友川綾子

根のある土地から表現する

文芸作家なかむらあゆみさんが発行する文芸誌『巣』。Twitter上で、「獲得した文学賞の賞金で制作する」と発表された冊子だ。フォロワーからは「行動する文芸人」と賞賛され、発行前から注目が集まった。なぜいま「地方の文芸同人誌」に注目が集まるのか。なかむらさんに話を聞いた。

26

月に数日だけオープンする映画館「アウトクロップシネマ」

2023.4.30 橋本誠

つくり手自らがオープンした、映像表現との出会いと語らいの場づくり

映画に限らず、文化施設が少ない地域でどのように人は作品や表現に出会い、語らうことができるだろうか。映像のつくり手自らがオープンした秋田の映画館は、月に数日の「食事つき上映」という仕組みを導入している。

25

公民館のようなモデルハウス「BRIDGE THE BLUE BORDER.」

2023.4.10 半田孝輔

地域工務店が生み出す新たな価値

モデルハウスと聞くと「新築を購入したい人が見に行く場所」というイメージが一般的かもしれない。しかし、宮崎県高鍋町には公民館のような多様な人が集うモデルハウスがある。もはや単なるモデルハウスを超えて地域のコミュニティとして機能しているのだ。

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ローカルとつながるアートセンター

2023.1.30 高岡謙太郎

山口情報芸術センター[YCAM]

地域との接点をつくろうとするアート施設は国内に多数ある。その中でも「山口情報芸術センター[YCAM]」(以下、YCAM)は、メディア・テクノロジーを用いた新しい表現の探求を目的としているユニークな施設だ。特徴的なのは、アーティストと協業して新作のインスタレーションやパフォーミングアーツ作品の制作を行ってきたこと。ゼロから作り上げられた新作を見れるとあって、県外からアートファンが多く訪れている。

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移住サラリーマン、はじめての本づくりに挑む

2022.10.6 須鼻美緒

『迷路のまちの小さな美術館の挑戦』ができるまで

2020年から動きはじめた小豆島・迷路のまちの「妖怪美術館」本の出版プロジェクト。2022年10月、2年かけてようやく書籍『迷路のまちの小さな美術館の挑戦』が完成しました。著者である佐藤秀司さんに、本ができるまでの苦労や紆余曲折について、編集担当の須鼻美緒が話を聞きました。

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福島の「地のデザイン」をめざして

2022.2.14 三島早希

10年目のヘルベチカデザイン

2021年の8月に10年目を迎えたヘルベチカデザイン株式会社は福島県郡山市にあるデザイン事務所。福島という土地に根差した「地のデザイン」を目指すヘルベチカデザインは、デザインの枠を超えた活動によって注目される存在だ。

21

15年の歴史を刻んできた「そらあるき」の現在

2021.9.22 友川綾子

コロナ禍で3年ぶりの臨時号を発行したわけ

今年4月に3年ぶりに刊行された「そらあるき」は、2005年から続くローカルリトルプレスの草分け的存在だ。編集長は金沢でアンティーク店を営む塩井増秧さん。最新号は、コロナ禍でのエッセイや書評など26名の寄稿で編まれている。

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地域や社会の課題を解決する編集というアプローチ

2021.2.27 EDIT LOCAL LABORATORY事務局

『新世代エディターズファイル』編著者による編集放談

2021年3月、EDIT LOCALにもゆかりのある5人の編集者らが手がけた『新世代エディターズファイル 越境する編集ーデジタルからコミュニティ、行政まで』(BNN)が発売。日本全国+アジアの編集者を集めた、いままでにない「編集者見本帳」だ。本書にも収録されている編著者による座談会を刊行に合わせ特別に全文掲載する。

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映像を軸にコミュニティをつくる「道東テレビ」

2020.10.28 菊池百合子

北海道・道東エリアに根付く映像メディア

2020年7月に放映された『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』の人気コーナー「日本列島 ダーツの旅」で、地方在住の元番組スタッフがロケを担当した。それが、2016年に北海道の津別町に移住し「道東テレビ」を立ち上げた立川彰さんだ。

18

福岡と東京を拠点にローカルを編集する「TISSUE Inc.」

2020.4.12 佐藤渉

地域文化をリブートするクリエイティブディレクション力とは?

空港が近い、家賃が安い、メシがうまい。地方移住や二拠点生活の候補地としてたびたび名前を聞く福岡に、東京で活躍していた編集者・桜井祐さんが移住したのは数年前。早々に自身の組織と出版レーベルを立ち上げ、多様な分野の編集とディレクションを行なっている。これまでの歩みと編集の仕事にかける思いを聞いた。

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全国の珍スポットを取り上げる『東京別視点ガイド』

2020.3.23 高岡謙太郎

”別視点”でまちを眺めるメディアがツアーまで行うわけ

珍スポットは、一風変わった観光施設や観光地のこと。風変わりな場所を散策することが趣味の方は実はかなり存在する。2011年4月から始まった珍スポットや珍イベントを紹介するメディア『東京別視点ガイド』代表の松澤茂信さんに話を聞いた。

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名古屋から文化を発信『LIVERARY』

2019.9.28 上浦未来

”ローカルカルチャー”webマガジンのつくりかた

2013年に誕生したWebマガジン『LIVERARY』。名古屋を中心に愛知・岐阜・三重のことをさす“東海エリア”のローカルなカルチャートピックを紹介・提案している。編集、執筆、ときにデザインまで担当する共同発起人であり、企画・編集者の武部敬俊さんに、メディアの拡げ方、マネタイズについて話を伺った。

15

盛岡の日常をアーカイブする。雑誌「てくり」

2019.7.15 北山公路

誌面だけでなくお店もプロデュースする「まちの編集室」とは?

創刊から14年続く、ローカルメディアとしては老舗の雑誌てくり。しかし、てくりが創刊した当時は主流だった紙媒体だが、今では地方発信もwebが主流となってきている。そんな中、雑誌という形態を選び続ける理由はなにか。編集メンバーに話を聞いた。

14

神戸で大人気のお笑い系地域抗争「ちいきいと」とは?

2019.5.14 大迫力

写真とトークで競い合う、地元ネタ自慢バトル。

地域の魅力を掘り起こすメディアは日本中に数あれど、写真を使った「大喜利」で、というのはちょっと聞いたことがない。神戸市内各地で開催されている「ちいきいと」は、お題に沿って街の写真を紹介していく大喜利スタイルの地元ネタ自慢バトル。街をよく知るプレゼンテーターたちが繰り広げるローカルトークに笑いが巻き起こる大人気イベントだ。

13

読谷村からクリエイターをつなぐ「手手」

2019.2.15 友川綾子

沖縄に移住した夫婦が手がけるローカルメディア

いまからちょうど10年ほど前、2007年の沖縄県読谷村(よみたんそん)で、地元クリエイターが手弁当で制作した「手手」という小冊子が発行された。これまでたった2号しか発行されていないが、いまだに地域内外で読み継がれ、読谷村を県内外とつなげている。

12

地域に根付く出版とは? アタシ社・本と屯

2019.1.20 吉田真緒

地元出版社という強みを活かす

ミネシンゴさんと三根かよこさんが夫婦で営む出版社「アタシ社」。2017年の11月からマグロで有名な神奈川県・三浦市三崎に事務所を移転し、ゆっくりと地域に根をおろしながら、自分たちのスタイルでメディアづくりを続けている。

11

『南部再生』に見る、愛される地元メディアのつくり方

2018.11.5 大迫力

オープンな編集会議を通して、 「関わりしろ」を増やす。

脱力感が笑いを誘う表紙と、「R75」「そうだ選挙、いこう」「オール阪神阪急」など洒落っ気たっぷりのタイトル、そして「はじめてのスナック」「町内会の世界」「尼とギャンブル」など地元感溢れるテーマ。兵庫県尼崎市で発行されるフリーマガジン『南部再生』は、関西では知る人ぞ知るローカルメディアだ。

10

足りないものはまちを使う。「かみいけ木賃文化ネットワーク」

2018.10.30 友川綾子

「山田荘」「くすのき荘」二つの”木賃”物件がシンクロしまちとつながる

JR、東京メトロの複数路線が乗り入れるターミナル池袋駅から、東武東上線の各駅停車にひと駅乗ると、低層の住宅がどこまでも続く、都会のエアポケットのようなまち、上池袋にたどり着く。戦後、「木賃(もくちん)」と呼ばれる木造の賃貸アパートが多く建築されたこのまちで、”木賃文化”を盛り上げようと夫婦で活動する「山本山田」に話を聞いた。

9

まちと訪れる人をつなぐ「星野リゾート OMO5 東京大塚」

2018.9.3 小西七重

"旅のテンションを上げる都市観光ホテル”とは?

「Go-KINJO」マップや「OMOレンジャー」といった、まちとホテルをつなぐ仕組みをインストールし東京・大塚にオープンした「星野リゾート OMO5大塚」。スタッフが自ら開拓したまちのコンテンツを”編集”し、宿泊客とまちの人をつなぐ「星野リゾート OMO5大塚」の取り組みは、これからの都市型ホテルのあり方を示してくれる。

8

新駅ビル工事の仮囲い壁面を季刊誌に「have a Yokohama」

2018.5.30 友川綾子

市民・行政・企業が一体となった編集室を結成し、地元市民と関係をつくる

2015年から横浜駅西口で始まった新駅ビルの造成工事。完成する2020年まで、工事のために長期間、巨大な工事用の仮囲いが出現している。利用者が毎日目にする仮囲いの風景を、鉄道事業者としてどう活用したらいいのか? その答えは、地域とつながるメディアづくりだった。

7

劇場がメディアをつくる「CIRCULATION KYOTO」

2018.4.29 ヘメンディンガー綾

京都のまちの見方を変えるローカルメディアワークショップ

京都市左京区にある劇場「ロームシアター京都」が、1年かけて市民とともに京都のローカルメディアをつくるワークショップ「CIRCULATION KYOTO」を実施。2018年3月には成果を発表するトークショーが開催された。メディアを媒介に京都という土地の特殊性と、文化施設と地域市民との新しい“つなぎかた”が見えてくる。

6

まちを”編集”するHAGI STUDIO

2018.3.5 矢嶋桃子

谷中エリアを中心にリノベーションによるまちづくりを推進するHAGI STUDIOのこれまでとこれから

東京の下町・谷中で、古い建物をリノベーションし、新たな価値を提供する「HAGI STUDIO」。「HAGISO」、「hanare」、「TAYORI」、「KLASS」と、その試みは地域を巻き込み、「日常」を自分たちなりの切り口で、内外の人たちに提示している。今回は食材の生産者とお客さんを手紙でつなぐ総菜屋「TAYORI」でお話を伺った。

5

宿×出版「真鶴出版」

2018.1.26 吉田真緒

真鶴の魅力を地域の内外へ発信する、泊まれる出版社

神奈川県の南西部に位置し、昔ながらの情緒や人付き合いが残る半島、真鶴。2015年に移住してきた川口瞬さんと來住友美さんが立ち上げた「真鶴出版」は、出版社と宿が一緒になったスタイルで、内外の人たちに真鶴の魅力を伝えている。

4

ワインツーリズムやまなし『br』

2017.12.23 小西七重

山梨県産ワインをブランド化した戦略的メディアの在り方

ほんの10年前までは誰も見向きもしなかったが、ここ数年で急速に注目を浴びている国産ワイン。日本のワイン発祥の地である山梨県でも、地元の人にすら飲まれていなかった。「薄い」「おいしくない」といったマイナスイメージがつきまとっていた県産ワインを、「飲んでみたい」ブランドに押し上げたローカルメディアが『br』だ。

3

浜松・ゆりの木通り商店街マップ

2017.11.17 友川綾子

商店街のバラエティ豊かな楽しみ方をイラストマップで伝えたい

浜松駅徒歩10分に位置するゆりの木通り商店街がいま、歴史を感じさせる趣のあるビルをリノベーションした新店舗などで話題を集めている。その盛り上がりに一役買っているが、個性あふれるイラストマップだ。

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星羊社 『はま太郎』

2017.9.29 友川綾子

市民酒場を掘り下げて、横浜の下町の歴史と今に光をあてる

「おじさんたちの聖域」といわれる横浜のディープ呑み屋街・野毛。ここ最近では気軽に呑めるお洒落な立ち呑み屋も増え、若者や女性ひとり客も増えてきた。この野毛を中心に「横濱で飲みたい人の読む肴」と銘打って酒場文化を紹介する人気雑誌『はま太郎』が、横浜の歴史と今をつなげる役割を果たしている。

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福井新聞まちづくり企画班

2017.9.29 影山裕樹

二次元の紙面づくりから立体的なまちづくりへ

福井県福井市の老舗地元新聞社「福井新聞」には、記者たちが集まって立ち上げられた一風変わったチームがある。その名も「まちづくり企画班」。まちのことを取材するだけではなく、カフェとコワーキングスペースを運営するなど、プレイヤーとして実際のまちづくりに携わっている。